めまいは症状だけじゃわからない
めまいってよくわからないですよね。
ふわふわ浮いているよう
景色がくるくる回る、ぐらぐら揺れる
ひゅーっと落ちていくよう
いろんな症状を患者さんは訴えますけどそれだけじゃ原因はわからないんです。
器質性めまいの分類は
・前庭性
・非前庭性
にわかれます。
前庭性はさらに中枢性と末梢性
非前庭性は心因性、偏頭痛関連性、
ベンゾジアゼピン長期服用者、起立性低血圧などさまざま。
あと、前失神のルールアウトも忘れずに。
ポイントはまずどうにかしてでも立って歩けるかどうかです。危険な中枢性だとまず歩けないです。6人/100人ぐらいが中枢性です。
あと頻度からBPPVの問診として
持続時間、体位による変化、潜時を訊きます。
長くても2分以内で、頭の向きを変えると数秒後にめまいがおきていれば
かなりBPPVが怪しいでしょう。
そこではっきりしない場合は
HINTS-plusをしらべます。
・Head inpulse test
・Nystagmus (眼振)
・Test of Skew(眼軸の斜偏移)
・難聴
これらがすべてない場合は中枢性は否定できます。
MRIよりも感度が上ってところが一番のポイントです。
(両方眼振あるけど病側の眼振だけ大きいのをアレキサンダーの法則っていうらしい。どうでもいいかもしれんけど。)
でもこのHead inpulse test。
さらっと書いてあるけど、
身体所見としてちゃんととるのはかなり慣れが必要と思います。
なかなかちゃんととれないと思うし、
しかもまっすぐ向いててもらって左右どっちかに向けるのか、
左右向いてるのを正面に戻すのか書いてあるものによってバラバラで、
結局どっちやねんって感じです。
でも、書いてるものの数としては正面に戻すほうが多い印象です。
ちなみに、よくめまいを起こして受診するひとで メニエール病の診断を受けている
ひとをよく見かける気がしますが、メニエール病は稀な疾患とうことは忘れちゃだめ
です(16人/10万人ぐらい)。よくは出会わないです。
症状は繰り返して出現して、だんだん難聴が進んでいきます。
あと多いのは起立性低血圧ですね。
起立性低血圧のめまいは有症状時sBP100mmHg未満が多いです。
起き上がりや座位で
・sBP20以上低下+dBP10以上低下
・HR20以上あがる+症状の訴えがある
で疑わしいです。
原因としては
高齢者では降圧薬長期服用者のに注意です。
他に自律神経障害や消化管出血、薬剤性(αブロッカー)など。
出血が原因とかだと下手すると命にかかわるので気を付けてください。
ちなみにですが、降圧薬3剤飲んで効いてない人は
睡眠時無呼吸症候群を疑ってくださいね。
対応としては
BPPVとかは Dicks-whole-pipeで眼振とか出るか検査し、
Eply法をしてみます。
大体7割くらいなおります。(ただし、再発4割。繰り返しやります。)
ダメならrolling法で。
治療や対症療法の投薬のメニューとしては
内耳性;7%炭酸水素ナトリウム40mlを3号液200ccにといて点滴
±ジアゼパム5−10mg筋注
予防;ベタヒスチンメシル酸塩、ATP腸溶錠、ジフェニドール塩酸塩内服
起立性低血圧;ミトドリン塩酸塩、アメジニウムメチル硫酸塩、ドロキシドパ内服
が選択肢に上がりますかね。
漢方だったら苓桂朮甘湯、五苓散、沢しゃ湯、半夏白朮麻湯が使えます。
めまいの対応って奥が深いし難しいですけど、
明日からめまいに対応するときの重圧が軽くなってるとうれしいです。
以下ざっくりとめまいの原因の情報メモをのせます。
中枢性眼振
注視性眼振あり
BPPV(良性発作性頭位めまい症)
体位誘発性
持続時間
潜時(about 3s)
持続は1分長くても2分
偏頭痛関連性めまい
小児の頃は周期性嘔吐症で病院を受診する
10代から頭痛がちらほらでてくる。多いのは30代♀。痛みもピークへ
50代頃から症状も軽快してくる
前兆は視覚変化、しびれ、構音障害、めまい、allodynia(皮膚接触で不快感)。
頭痛、嘔吐症状は同時には来ず。片方の主訴で来て、
既往とかで疑うしかないパターン
遊園地のコーヒーカップが超苦手だったりする。
恐怖性姿勢めまい
fobic postual vertigo
・鎖骨下動脈盗血症候群→左鎖骨上窩血管雑音
・頭痛、めまい、顔面神経麻痺を伴う真珠腫性中耳炎は
緊急OPE適応だから十分にに注意!
・SVC synd
頭痛、めまい、呼吸困難が起こってくる。急に出ることもあり。