resp-kingofmed’s blog

地方大学呼吸器内科医の雑記帳

インフルエンザ

新年あけましたね。

今年もよい1年でありますように。

 

さて、インフルエンザシーズンに入ってしばらくですが

皆さん体調は崩されていませんか?

普段健康でお仕事されてて持病などお持ちでない方は

熱が出てもすぐには病院に行かず、2,3日は

お家でゆっくり休んで水分をたくさんとって様子を見てくださいね。

病院に行くとかからなくてもよかった病気をもらったり、

他の患者さんに病気をうつしたりしちゃうかもしれないので。

 

…というのは最近医療業界では耳にタコができるほど

繰り返し言われていることなんですが、

 

こないだの当直中の話です。

 

外来に発熱で中年男性が受診するとの連絡。

まー、インフルかなー。普段元気なら家で寝てたらいいのに…

と思っていたところ、来られた患者さんは

やっぱり普段元気な方で、

前日に正月の地域の集まりで大人数で飲み会をしていたとのこと。

…もう話の時点で暗雲。

これだけ言われてるけど田舎だとやっぱ居るんだな

というのがびっくりその1

 

インフルエンザの迅速検査をしたら

A型と判明。

やっぱり。

で、よくよく話を聞くとこの方看護師職員の旦那様だったらしい。

…いやいや医療職やのに病院受診させたんかい!

というのがびっくりその2

 

で、お薬出そうとしたら

夜勤の看護師さんからインフルエンザに対して処方できる

お薬の表を渡されまして。

そこには「ゾフルーザ」が…

いやそこ(採用)は早いんかい!

というのがびっくりその3

 

でも一番驚いた(びっくりその4)のは

その看護師さん(患者の奥様の方)が

「ゾフルーザ」を処方するようにしていしてきたこと!

 

もうびっくりと情けないのとがっかりで

あたまクラクラ…

 

こ…これが田舎クオリティか…

 

通常健康な方には抗インフルエンザ薬は不要であること、

治るまでの期間はタミフルとゾフルーザで大差ないこと、

ゾフルーザ投与により成人で10%ぐらい(小児で20%以上)

ウイルスに遺伝子変異が生じて、治るまでが長引いてしまうこと

患者さん本人を含め、ご家族はうがい手洗いをお願いしたいこと

を丁寧にご説明させていただきました。

 

ちなみにインフルエンザワクチン(予防注射)はおもに

「重症化を防ぐ」目的で作られていますので、

(インフルエンザ脳症とか肺炎とかね)

予防効果は70%ぐらいしかないそうです。

 

自分としては

原則としてインフルエンザで病院を受診するのは恥ずかしい

ぐらいに思っていたのですが、

まだまだ医療職の中ですらもご理解いただけていないことが

実感された出来事でした。

地道に説明を継続していかないといけませんね。