resp-kingofmed’s blog

地方大学呼吸器内科医の雑記帳

残業の上限年2000時間

やってくれましたね。

僕は今大変ご立腹です!

 

働き方改革のなんやかんやで厚生労働省が、

地域の中核病院とかの地域医療を担う医師について残業の上限を

「年2000時間」とする案をまとめたたそうです。

ちなみに一般の医療機関で働く医師の残業上限は「年960時間」

一般労働者の上限は「年720時間」です。

残業が年2000時間というと大体月160時間で、

平日は5時間残業して、土日8時間残業(というか休日出勤w)する感じ。

毎日22時終わりで、土日も働いて365日休みなし。

ということですね。

 

しかも、最初に読んだときは2000時間に目が行って、

こちらが目に入ってなかったんですが、

さらに驚くのは

「特例は2035年度末までとし、その後は一般の医師と同じく年960時間とする方針。」

というところ。

年960時間て過労死に相当する時間なんですけど。

16年後以降も、一般労働者の方の「年720時間」に近づける気は全くないと

言ってるようなもんやん…

 

つまり、

過労死しても上限に達していなければ、過労死として認定はされない可能性があるってことでしょうか。

もし亡くなっても医者が弱かったから死んだということにされるかもしれない…

 

厚労省本格的に地方の医者を殺しに来てるのか?

怖すぎ…

 

こんなん普通やったら地方より都市部で働きたいって思うやろ。

ただでさえ都市部に医師が流れて行ってる現状なのに

地方に医者誰も残らんで。

地方の医療崩壊するで。

いや冗談抜きで。

 

毎日22時終わりで、土日も働いて365日休みなし…

意外といけるんちゃう?

と思う方もいるかもしれないので補足しますが、

(さっき過労死相当て言うたばかりやけど)

医師も職場に拘束はされているけど、残業時間とは認定されない

サービス残業が存在します。

そして意外と多い…

業務間インターバル9時間なんて実現できないとおもうけど…

と思う程度はサービス残業してます。

 

確かに命を預かる責任あるお仕事というのは重々承知しておりますが、

当然、医者は全員がスーパーマンではありませんので

体が丈夫な人もいれば、弱い人もいるし、

若い人から高齢者のベテランまでおりますので

もう少し現場の状況を一般の方はじめ、特にお上の皆さんには

ぜひご理解いただきたいですね。